「何のために通うのかが分からない」というご相談

2019年12月にOPENしたミライズ土呂も開所から約2年半が経ち、

今では毎日約20名程の方にご利用頂いています。

まだ空きはございますのでご検討の方はどうぞお気軽にお問合せください。

「することのメリット」と「しないことのデメリット」

さて、これまでミライズでは利用者さんから多くの相談を受けてきました。今回のブログではその中でも特に件数の多いものをご紹介したいと思います。

それは、

「何のためにミライズに通っているのか分からなくなってしまいました」

です。

「通う目的が不明確になる」

これは私たちのような事業所のみならず、英会話やスポーツジムといったスクールや習い事にも共通して発生する困り事だと思います。

このような相談に対し、私たち事業所側はつい

「通うとこんなに良いことがある!」や「○○や△△ができるようになる!」といったメリットを前面に押し出してしまうものです。

しかしこれらはあくまで「そう感じてほしい」という事業所側がの意向であり、利用者さん本人がそのメリットを実感できているとは限りません。

「そういうメリットがあるのは分かってる…それでも目的が分からなくなっちゃったから相談してるんだけど…」

これが利用者さん側の本音ではないでしょうか。

 

では「通う目的」を明確にするにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、「しないことのデメリット」を考えることです。

ミライズでは利用目的を見失ってしまった方に対して、

「逆にミライズに通わなかったら生活がどう変化するか」

を一緒に考えて利用者さん本人に思いつく限り列挙してもらいます。

そうすると、

 

・また夜型の生活リズムに戻ってしまう

・不規則な生活になってしまう

・外出の機会が減る

・人と会って話すことがなくなる

・身だしなみを整えなくなる・着替えもしなくなるかも

・幻聴が再発してしまうかも

 

…等の意見が出されます。そしてこれらを全て紙に書き出した上で、

「続けていればこれらのデメリットを全て防げる」ということを伝えます。

つまり、「デメリットを防ぐこと」も立派な目的の一つであることを共有するのです。

すると多くの利用者さんは「そうか、続けることにはそういう意味もあったんだ!」と納得の表情を見せてくれます。

「快の追求」と「苦痛回避」

私たち人間が行動を起こすきっかけは2つしかありません。それが「快の追求」と「苦痛回避」です。たとえば 

おいしいハンバーガーを食べたい!(快の追求)→マクドナルドに行く(行動)

虫歯を早く治したい!(苦痛回避)→歯医者に行く(行動)

という具合です。

今回ご紹介した「デメリットを防ぐ」は苦痛回避にあたります。そしてこの両者には

「快の追求」≦「苦痛回避」

が成り立つと私たちは考えます。

つまり「することのメリット」よりも「しないことのデメリット」を考えた方が行動を起こしやすいということですね。

「メリットだけでなくデメリットも考える」

このような思考を続けることで物事を多面的・多角的に捉えられるようになり、より正確な判断ができるようになるのだと思います。

 

~今日のまとめ~

・「することのメリット」だけでなく「しないことのデメリット」も考えてみる

・「デメリットを防ぐこと」も立派な目的の一つ

・人間には「快の追求」と「苦痛回避」という2つの本能が備わっている

・普段からメリットとデメリットの両方を考えることで多面的・多角的な思考が身に付く